シミュレーションセンターの経営戦略と運営のコツ【後編】

姫路メディカルシミュレーションセンター ひめマリア(以下、ひめマリア)の田中宏治先生に、シミュレーションセンターの経営戦略と運営のコツについてお話をお伺いしました。

運営のコツ

専従者がいること

特長のところでも述べましたが、物品の管理やシミュレータの動作確認なども行っています。保守点検を怠らなければシミュレータは長く使えますよね。

院外の教育にも関わること

事業範囲を広げるという実践的な方法です

当センターは他施設や看護学校・大学等の教育に携わることが多く、毎年継続して研修を実施しています。事業範囲を広げるという戦略は企業でも行われている経営戦略であり、外部へ布石を打つことは事業の核を守ることにつながります。

受講者(医療従事者、医療従事者以外の方)に対応した教育シナリオ

院内

対象:医療従事者全般

研修コンテンツの数は100 を超え、研修予定表をWEB 上で公開することで、誰でも自由に参加する事が出来ます。また、「部分的に実施したい」や「部署に応じた内容」等にも柔軟に対応しています。研修予定表はホームページでも公開しており、他施設の方がスキル向上のために受講されることもあります。

画像:医師と看護師のBLSの様子

医師・看護師のシミュレーションの様子
院外

対象:消防関係者、教員、地元の消防団、小・中・高校生、地域の方々ほか

検査結果やCTXP の見方、心肺蘇生法、エピペンの使用方法などを多岐に渡る研修しています。院外の研修は一部、地域貢献やボランティアと考えて行っています。将来医療従事者を目指す人が増えると嬉しいですよね。

画像:講義の様子

職種問わず ( 看護師・管理栄養士・社会福祉士・事務職等 )受講希望者に対し神経系について講義の様子

教育効果の評価方法

イラスト:テキストマイニングのイメージ

院内・院外で実施した研修に対しアンケートを行っています。アンケート内容を全てテキストデータとして入力し、テキストマイニングという方法で分析しています。受講者一人ひとりの感想の中から統計学的に重さのある言葉を抜き取りたかったので、この方法を選択しました。この方法はフリーソフトもあり、統計学に詳しくない人も使用しやすいためお勧めです。

COLUMN

シミュレーションセンターを作る予算がない…💦 そんな方に必見!

地域で教育の拠点を作る💡

病院の利益率はどのくらいか、皆さんご存じですか?

経常利益率は10%以上が理想と言われてますが、厚生労働省の「令和4 年度 病院経営管理指数」では、一例として医療法人の一般病院の経常利益率は2.7%です。これを踏まえると、ひとつの病院でシミュレーションセンターを作るのは現実的ではないですよね。ではどうすればいいのか。一例を挙げます。

東京都23 区の荻窪駅を中心に半径3km 以内に以下の通りの医療施設があります。年間の教育を実施するために、各病院から数十万円、医師会からも賛助金として各5 万円、これらを合計すると452 万円になります。使途としては、機器類のリース代として250 万円/ 年、外部から来てもらう指導者に対して200 万円/ 年。講習の際には、その時だけ医師会館の部屋を使わせてもらうという方法もあります。

画像:荻窪駅周辺地図と計算内容

ユニット構成や地域のニーズは適宜考えてもらうことになります。このように、費用を施設から出し合って地域医療・介護・福祉を統括した教育の中心地を作ってみるというのはいかがでしょうか。

Writer's Portrait 田中宏治 先生

エグゼクティブマネジャー/法人本部副部長
東邦大学 理学部卒業後、国際医療福祉大学大学院 保健福祉学博士課程後期 修了
博士(医療福祉学)/臨床検査技師

ひめマリア

施設紹介

社会医療法人財団 聖フランシスコ会 姫路メディカルセンター ひめマリア®

ひめマリアは、「キリスト教の倫理に基づき、医療、介護、福祉を統合的に学べる修練施設を目指す」ことを理念に掲げ、2016年1月より本格始動し、2023年度実績では、年間延べ13400人以上が学ぶ。

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