シミュレーションセンターの経営戦略と運営のコツ【前編】
姫路メディカルシミュレーションセンター ひめマリア(以下、ひめマリア)の田中宏治先生に、シミュレーションセンターの経営戦略と運営のコツについてお話をお伺いしました。
ひめマリアのご紹介
開設目的
- 教育と人材育成は病院運営(経営)の起点である
- 近隣(半径150km以内)に一般開放されたシミュレーションセンターがない
- 医師・看護師の定着率向上(研修医・新人看護師確保対策も兼ねる)
- 理念遂行のための看取りのシミュレーション(E-simulation)確立
特長
ハードだけでなくソフトも大事!
●ソフト
専従者がいる
ひめマリアには、私を含め名の専従者が勤務しています。病院という組織にとらわれず、視野を広くもった人材を配置する必要があります。専従者は医療従事者である必要はありません。研修内容に合わせて、院内・外部の方に講師を依頼すれば大丈夫です。
認可を受けた正当な教育施設
医療法第42 条1 項施設 医療従事者の教育及び再教育の施設として兵庫県から認可を受けています。認可を受けると、施設の正当性が増し、病院や法人の魅力の一つとなります。
認可を受けるには、法的に専従者を1名配置、設計図の提出といった手続きが必要になるため建設時がお勧めです。
●ハード
目的別に部屋を分ける
当法人では“ ひめマリア” をフラッグシップモデルとして位置づけています。利用目的(シミュレータの設置や収容人数、研修内容)に合わせて部屋を選択する事が出来ます。
ひめマリア 施設の案内図 |
経営戦略
教育は投資である
これはBSC(バランススコアカード)という表です。一番上の財務、つまり利益を出すためには、一番下の学習と成長、すなわち人材育成や教育がとても大切です。人材育成ができると、業務プロセス(実行や改善)を展開できます。次に顧客、ここでは患者さんや利用者さんを指します。この方々にフィードバックする業務がよりパフォーマンスのいいものになると、最終的に財務である収益につながります。
間接的経営効果
センター開設後にコスト削減を実現
これは、シミュレーションセンターを開設する前後で、離職率とリクルート関連費用を比較したグラフです。開設を機に、両方の数値が下がっています。まず離職率が下がると、リクルート関連費用も下がります。結果、開設する前後で、リクルート関連費用が年間数千万円以上の削減につながっています。
他に、院内で教育を完結することで、外部に支払う教育費・交通費が削減できます。
リクルート関連費と外部教育費が削減されたことによって、専従者の人件費やシミュレータ等の機器類の減価償却費が補えます。
法人全体として職員が成長し、高いパフォーマンスを発揮できるようになれば、結果として顧客、すなわち患者さんの満足度の向上につながります。そして、その良い反応を職員自身が現場で実感できることは、モチベーションの維持に寄与し、離職率の低下にもつながる重要な要素となります。
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田中宏治 先生
エグゼクティブマネジャー/法人本部副部長 |
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施設紹介 社会医療法人財団 聖フランシスコ会 姫路メディカルセンター ひめマリア® ひめマリアは、「キリスト教の倫理に基づき、医療、介護、福祉を統合的に学べる修練施設を目指す」ことを理念に掲げ、2016年1月より本格始動し、2023年度実績では、年間延べ13400人以上が学ぶ。 |